東京・西麻布にある人気のフレンチ、「ル・ブルギニオン」。人柄がにじむ料理と、温かな店の空気にファンが多く、なかなか予約が取れない店としても有名。北海道・函館出身のオーナーシェフ菊地美升さんに会いに、六本木ヒルズのほど近くにある店を訪ねました。


おいしい香りに誘われて門をくぐると、スタッフのみなさんが育てているというハーブが出迎えてくれます。緑の空間から一歩店内に入れば、そこは小さなフランス。ついつい笑みがこぼれてしまうおいしい料理と、料理に合わせて選んでくれるワインのマリアージュは、どれも記憶に深く残るものばかりです。名店を食べ歩くワイン好きから”初めてのフレンチ”というお客様まで、訪れる人を満足させてくれるのは、クラッシックスタイルの料理と、およそ3000本が眠るワインセラーの品揃え、そして敷居の高さを感じさせない心の通ったサービスがあるからこそ。さらに驚くのは、そのお値段。良心的な価格も、この店の特徴のひとつといえるでしょう。「自分自身、食べることや飲むことが大好き。自分が好きなワインを、食事と共に楽しんでいただきたいのです。高いワインを少しの人ではなく、たくさんの人に飲んでいただきたい。ですから、どこの店よりもお得で楽しめるワインリストにしたいと思っています」。そう話すのは、オーナーシェフの菊地美升(よしなる)さんです。

北海道・函館市出身。大阪の辻調理師学校を卒業し、フレンチの世界へ。六本木の「オー・シザーブル」を経て渡仏。ブルゴーニュやモンペリエで修業の後に、イタリア・フィレンツェへ。帰国後は東京・青山の「アンフォール」を経て2000年に、ブルゴーニュの郷土料理とワインを提供する「ル・ブルギニオン」をオープン。今や連日予約でいっぱいの、人気レストランとして知られる名店に。


出身は、北海道函館市。「昔から食べることが大好きでした。実家は雑貨店を営んでいたので家族はみな忙しく、高校生くらいになると弟の分までお弁当を作っていました。お肉好きだったので、食べたいものばかり入れていましたね。」と、当時を振り返って笑います。フランス料理、コックコートや高い帽子に憧れてフレンチの道へ。ホールのサービスから始まり、料理を自分で考えられるようになった3年目くらいから料理人としての手応えを感じるようになったといいます。「25歳で海外、30歳でシェフになる。」と掲げた目標通り、日本とフランスの違いを肌で感じるために25歳でフランスへ。できるだけ地元の人といられる環境に身を置きたくて、あえて田舎の店を選んで修行。フランス語を勉強しながら、地元の人に混ざって働く毎日を送ります。独りフランス人の輪に入り、メンバーの一員として暮らすことで、言葉だけでなく彼らの習慣をも学んだという菊地シェフ。その勉強熱心さは、オーナーシェフとなった今も健在です。毎年夏に行う研修は、2003年から続けている恒例行事。2週間の夏期休暇をとり、フランスの店で下働きするのが目的です。野菜を洗ったり、タマネギを刻んだり…。働きながら店全体の作業の流れや、空気を肌で感じ取るのだそう。オーナーシェフになるとなかなか経験できない他店の日常を通して、目で見て楽しむための工夫や、エネルギッシュな活気やライブ感を大切にした料理の大切さを知ったといいます。

撮影時に登場した一品は、「北海道の海をイメージした海のタルタル」。魚のタルタルの上に牡蠣のバルサミコ酢和えを載せ、その上にカリフラワーのクリーム、毛ガニと野菜、ウニと岩のりを重ね、散らした海水風のジュレがとても涼しげです。今回の牡蠣は兵庫県産でしたが、季節になると北海道厚岸町の昆布森産の牡蠣が登場することも。北海道白糠町産の羊や北斗市の牛、フランス産の鳩やカナダ産の仔牛などなど、世界中から取り寄せた食材が皿を彩ります。

「北海道の食べ物といえば、ジンギスカンが好きですね。それも最近主流の生肉ではなく、ニュージーランド産の丸いスライス肉にタレを付けて食べるようなジンギスカン!僕は、昔ながらの懐かしい味が”ジンギスカン”です」。お母様が作る鮭の飯寿司(いずし)や、鰊漬けは、自分がマネージャーになって販売したいくらい絶品なのだとか。食べ物の話しをする菊地シェフは、本当に楽しそう。休日は奥様と一緒に食べ歩きしたり、ふたりのお子さんと一緒に遊んだり。ホットプレートで、焼きそば作りをすることもあるのだとか。会話の端々に、飾らない人柄がのぞきます。

目標は、「今日よりもいい店にすること」。「ひとりでも多くのお客様が、楽しそうに帰ってくださったら嬉しい」と話す菊地シェフは、食事を終えたお客様を自らお見送りするのが定番です。店の帰り道に味わえるのは、家に招いていただいたかのような心地良い余韻。実際に店を訪れると、再訪するお客様が多い事にもうなずけるはずです。


「ル・ブルギニオン」
東京都港区西麻布3丁目3-1  
03-5772-6244
営業/ランチ11:30~15:30(lo13:00)、ディナー18:00~23:30(lo21:00)
定休日/水曜、第2火曜






message from
北海道経済部食関連産業室 谷岡 俊則


 道では、道内出身の一流シェフ等日本の第一線で活躍する方々を、北海道[食のサポーター]として委嘱し、道内各地のこだわりの商品・食材に関する情報を発信していただくとともに、地域ブランドの磨き上げにご協力いただいています。
菊池シェフにはその「食のサポーター」として長い間、北海道の食のブランドのためにご尽力いただいて大変感謝しております。

 これまでも、たくさんの道産食材をPRしていただき、そのお人柄と卓越した技術により北海道が産んだ日本のフレンチの旗手として益々のご活躍を期待しております。

 



and MEG Books



旅をするように、予約を入れてからの待つ時間さえも楽しみにさせてくれるお店。
記念日に訪れたいと思わせてくださるのは、他では味わう事の出来ない至福のひとときをル・ブルギにオンは叶えてくれるからでしょう。
お料理を一口食べた時の、取材班のテンションの高さは言うまでもありません。笑
Editor in Chief / KAZUE OKAWA

菊地シェフの気取らないお人柄にすっかり魅せられました。
料理「失敗しますよ」だなんて、上を目指す人からじゃないと聞けないセリフだなあと思いました。
ファインダー越しに見る以上に、実際に頂いたお料理達が複雑で感動的で本当に美味しかった。
もっと味わいたい!と、その晩のディナーに再訪してしまったほど。夢のような晩餐でした。。。
Photographer/MASAYO YAMAMOTO

フランスへ研修に行くというお話しを目をキラキラさせながら無邪気に話されていたのが印象的でした。
まさに「使っている鍬は光る」、言うまでもなくお料理もとっても美味しかったです!
Art Diector / KEIKO AKATUKA

実際にお店へ伺ったスタッフは、料理とワインを思い出してうっとりしながら話しをしてくれました。
札幌に帰ってきてからも、このテンションが持続する料理とは!!私もその感動を味わってみたいです。
Copywriter/SAORI FUSE



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